「アート・沖縄・NY」 照屋勇賢.Vol.1

compassオープン第一弾の企画として、メンバーでもあるNY在住のアーティスト照屋勇賢に、NYのアートシーンや沖縄のこと、最近の制作について話を聞きました。場所は中城にある平良邸。空港に着いたばかりの勇賢を車で迎えて、夕食を交えてのトークとなりました。何気ない日常会話から始まりますが、やはりアーティスト同士、自然と会話の中心はアートの話になっていきます。

聞き手: 阪田清子
参加メンバー: 大山健治、平良亜弥、宮城潤  (2012年 2月)

 

阪田: 最近買い物は?

照屋: 甥っ子姪っ子のジグソーパズル。タイムズスクエアーのいろんな看板がある。

阪田: すごいピースが多いの?

照屋: 対象年齢が15歳のやつ。

阪田: 甥っ子はそんなに大きいの?

照屋: 8歳 (笑)。

阪田: (笑)レベルを上げてみた?

照屋: 2007年当時のタイムズスクエアーの写真。ブロードウェイで上映されてた映画のポスターがあるから、タイムズスクエアーの映像って10年後にはまた変わるから、今の時代の映像が記憶されていいかなって。カラフルだし、楽しいし。さらに時代が経てば背景が見えていいかなって。

阪田: 最近のNYは?

照屋: オキュパイ・ウォールストリートが解除になって、街の緊張感が減った気がする。「ウォール街を占拠せよ」っていって、民主国家のアメリカの若者が、民主運動というよりは、大企業とそうでない人との金融貧富の差や所得の差を訴えたり、雇用を求める運動。そういう格差を訴える金融関係の建物が集中しているウォールストリートでのイベントが9月に始まって13日まで去年やっていた。2か月めに市が警察を連れてきて、大移動させられた。一部の人はオークランドのほうに移動してオキュパイ・オークランドとして活動している。そういのが夏は印象的だったけど、以外とあっさり街から消されてしまったなぁって。あとはレディ・ガガとか(笑)ジェネラルな話ですけど。
それ以外は正直、スタジオで仕事をこなすだけ。美術館とか意外と行く時間がなくて、NYのアートシーンを言える立場としては適当な人ではないんですけど・・・
ギャラリーがいっぱいある都市として印象があると思うけど、また、ちっちゃなギャラリーたちがいっぱいできてきていて、今まではチェルシーに集中していたギャラリー街が、若いギャラリストたちがロウアーイーストサイドって言うマンハッタンの東側のチャイナタウンに近いところにギャラリーをたくさん開いていて、今、100近くあるんじゃないかな。みんなすごい規模は小さいんだけど、マチヤグァーくらいのスペースを借りて、手作りでギャラリーを始めてて、それこそ20代のギャラリストだったり、外国人だったり。資本はあまりないけど、何か始めたい、大学卒業した若い作家を中心にギャラリーを始めたりしている傾向がある。

阪田: そんなにこういっぱいギャラリーがあってもやっていける感じなのかな?サイクルは速い感じ?

照屋: いや、やっぱりあんまり儲けはないみたいです。だから元々お金がある人だったり、やりくりして細々と手作りでギャラリーをやり始めてる。まだ家賃も安いんだと思う。チャイナタウンだから、ほんとに肉屋さんの間にホワイトキューブのギャラリーがあったり。まだ昔のお店の雰囲気が残ってる中で展示始めてたり。何かできる範囲で始めようというギャラリーが最近そのエリアでは多くなっている。

阪田: そこから勇賢のスタジオって結構離れている?

照屋: そこからは離れてますね。僕のスタジオはミッドタウンと呼ばれているところです。

阪田: そこはどんなところなの?

照屋: 観光地。正月にボールが落ちてくるところ。人がいっぱい集まるところ。ミュージカルシアターが多いところで、そこから2ブロック下がったところで、ファッションディストリクトといって、布やボタンの問屋さんが並んでいる。ファッションデザイナーの卵たちがよく布のサンプルを買いに来るところです。

阪田: 最近の制作はどんな感じなの?

照屋: 最近の制作は、基本的に展覧会に出す作品なんだけれども、スタジオでやっているのは、また紙袋を使っての作品なんだけれども、中身が黒い紙袋にだけ集中して、覗くと真っ暗の紙袋にいっぱい丸い穴(点)を彫って、覗くとそこに宇宙が見えるようにして、くり抜かれた部分が白くなって見える。

阪田: 天体みたいに。

照屋: (紙袋の中に)天体が見える。それを作っている。30個の袋を用意してて、30個の中に全部天体があるんだけれども、実はその天体はある場所で撮られた天体写真を元に作っている。たとえばハワイの空だったり、スイスの夜空とか。30地域の星空を選んできて、その写真を元に袋に宇宙を再現しようとしている。それが今の試みです。チャレンジしている部分は、覗いたら正面があってサイドがあって、サイドの部分が丸が斜めになっちゃう、丸が少し細くなったりする。それをできるだけ覗いても丸くしたい。宇宙ってフラットだし、そういう世界を作るために、サイドをあえて楕円形の形にカットしている。100%バッチリの丸にはならないけど、今目指している目標は覗いたときに袋の奥行きがなくなっちゃう、完全に。フラットになるように。

阪田: なんか空間の歪みみたいな?

照屋: 空間をなくすような。できるはずだ!と思いながらずっとやってる。以上。

阪田: 以上(笑)。

 

Vol.2に続く。