「山田實展 人と時の往来」

【概 要】
山田實(やまだ・みのる、1918~)は、戦前の那覇市で育ち、戦争の世紀とも言われる20世紀を経て今日まで時代の隆盛を見つめ続けてきました。二・二六事件の直後に大学進学のため上京し、就職先の勤務地であった満州で召集。ソ連軍との交戦中に沖縄壊滅の知らせを聞きます。そして敗戦後2年もの間、極寒のシベリアで飢えと過酷な労働に耐えて生還しました。帰郷は東京での養生を経た1952年。まもなく桜坂に写真機店を開業し、経営の傍ら、沖縄を写真で記録し続けました。物心ともに貧苦の復興期に、写真倶楽部を興し、二科展や沖展に関わるなど、戦後の沖縄写真界、芸術文化の黎明期を支えた一人です。戦前から今日まで、激動の世変わりを見つめ続けた山田實。本展では、資料とともに山田實の写真と人物に迫りながら、その眼をとおした「沖縄」の姿を浮かび上がらせるものです。すでに戦前の価値観や風景を識る人も少なくなってしまった今日、山田實の刻んできた記(しるし)から、私たちが汲みとるべきは何か。私たちが失ってきたもの、未来へ遺すべきものは何か、本展が考える一助となれば幸いです。

【会 期】2012年9月11日(火)~11月4日(日)
【時 間】9:00~18:00(金・土は20:00まで)※展覧会入場は閉館30分前まで
【休館日】月曜日(ただし9月17日、10月8日は開館、翌火曜日休館)
【会 場】沖縄県立博物館・美術館 企画ギャラリー1・2
【観覧料】一般 800(640)円 高大生 500(400)円 小中生 300(240)円
※( )内は、前売及び20人以上の団体料金。
※70歳以上の方に限り、当日券20%割引。ただし身分証の提示が必要です。